教師からの転職!失敗して後悔しない備え方を元教師が解説
教師からの転職や起業を考えたとき、多くの人が
「失敗したらどうしよう・・・」
こんな不安に襲われることってありますよね?
誰でも、先の見えないことに対しては不安を抱くのは自然なことです。しかし、教員が転職、退職するときの失敗への不安は適切な準備をすることで、軽減することはできます。
もちろん、そうすることで教師からの転職、退職を失敗ではなく、成功へと導くことができる可能性をグッと高めることもできるのです。
この記事では、教師が転職を考えたときの
・失敗しないための心の持ち様、考え方
・失敗しないための具体的な準備
について解説していきますので、ぜひ参考にしていただき、あなたの転職、退職の成功に役立てていただきたいと思います。
教師からの転職に失敗しないための備え方【マインド】
まず、教員が転職、退職を考えたときのマインドについてお伝えしていきます。
中途での転職・退職では、どうしても不安を抱えながらの決断になります。
ですから、教師が転職に失敗しないためには、どのような考え方で備えていくかということはとても重要になります。
勢いだけの転職では失敗につながってしまう可能性が高いです。
そこで、何となく頭の中で考えていることを明確にするために、自分の気持ちや考えを書き出して可視化することをおすすめします。
教員を転職・退職したときのメリット・デメリットを整理しよう
まずは、あなたが教員を転職、退職した場合のメリット・デメリットを書き出してみましょう。
例えば、メリットであれば、
- 転勤がなくなる
- サービス残業時間が短くなる
- 家族との時間が増える
- 生徒や保護者からの理不尽なクレームに対応せずに済む
などがありますよね。
デメリットであれば、
- 収入が減る可能性がある
- どんな仕事ができるのか不安
- 同僚に迷惑をかけるのではないかと不安
- 家族に反対されそう
などでしょうか。
ここでのポイントは、教員から転職・退職することのあなたなりのメリット・デメリットを、どんなに小さなことでもすべて書き出してみるということです。
そして、書き出したものをじっくり眺めてみて、あなたの気持ちがメリットを優先したいのか、デメリットを優先しているのかを感じてみるとよいでしょう。
教員を辞めたいのなら何がしたいのかをしっかり考えよう
次に教員を辞めた後に、自分が何をしたいのをじっくり考えてみましょう。教員を辞めたいと考える場合、
・とにかく教師を辞めたい
・どうしても他にやりたいことがある
このどちらかだと思います。
後者の「どうしても他にやりたいことがある」という場合は、それなりの思いを持ち続け、それなりの準備をスタートさせている場合が多いと思います。
しかし、前者の「とにかく教師という仕事を辞めたい」という場合には、何がやりたいのか、転職先はどうするのかが決まっていないことが多いのではないでしょうか?
そうなると、その後の仕事や収入などの心配、転職しても失敗するんじゃないかという不安が生じやすくなります。
ですから、まずはあなたが「どんな人生を送りたいか」「どういう生活が送れたらいいか」という大きな部分から考えてみるのもいいでしょう。
そのうえで、人生において優先したいことをイメージすると、自分に合った働き方が見えてくるのではないでしょうか。
もちろんすぐに答えは出ないかもしれませんが、せっかく教師からの転職を決意するのであれば、どんな仕事でもいいからとりあえず転職という考え方は避けたほうがよいでしょう。
結局、教員のときの働き方と大して変わらない転職になり、失敗したと感じてしまう可能性が高くなるのではないでしょうか?
周囲の意見に振り回されない
教員から転職するときに、気をつけなければならないことに「周囲の意見に振り回されない」「自分自身で決める」ということがあります。
やはり、教員、公務員という立場を手放すことに抵抗を感じる人は少なくありません。世間一般では安定していると言われていますからね。
あなたが教員を辞めたいと伝えたときに多くの人が「もったいない」「もう少し頑張って続けたら」「今の環境が合わなくても転勤があるから」という反応をすることが考えられます。
決して、間違ってはいませんが、教員を辞めると決めたのはあくまであなた自身です。周囲の人の意見を取り入れすぎると、気持ちがブレてしまいますので、ほどほどに聞くようにしましょう。
家族からの反対される場合も少なくないと思いますが、先の見通しなどを具体的な数字で伝えるなどして、少しでも安心感を与えられるとうまくいくことが多いです。
あなたが転職・退職することへのうしろめたさを持つのではなく、堂々と前向きにしていることで、きっと周囲から応援されますので、心配し過ぎないでくださいね。
実は深刻に考えすぎないことも大事!
安定していると言われている教師からの転職ですから、失敗への不安はあっても仕方のないものです。
ただ、あまり深刻に考えすぎると身動きが取れなくなります。心配や不安ばかり先に立って、キャリアチェンジの準備に気持ちが注げなくなっては本末転倒です。
「あなたはなぜ教員を辞めようと思ったのですか?」
自分に合わない仕事から脱却し、幸せな人生を築きたいと考えたから辞めるという選択をしたのですよね?
そうであれば、自分の幸せな人生のための一歩を踏み出したわけですから、それだけでも失敗ではないということです。
先にある理想の未来をイメージして、今、目の前にある取り組むべきことに取り組んでいけば、不安も軽減されます。
転職や退職をあまり大ごとと捉えないことも大事です。あまりに大ごとに捉えると失敗への不安が増すだけです。
逆に絶対に成功するという捉え方も危険です。そうではなくて、うまくいかないことが出てくるのは当たり前と思っているとよいでしょう。そして、その時は修正してうまくいくように改善すればよいと心の準備をしておけばよいのです。
何事においてもそうですよね?当たり前のことでも不安が大きいとそれに気づけなくなるのです。
ですから、まず動き出してみる、そして修正したりつけ足したりしていくというふうに気楽に考えている方が柔軟性が出てうまくいくのではないでしょか。
教師からの転職に失敗しないための備え方【準備】
ここまでは、教師からの転職に失敗しないためのメンタル、考え方についてお伝えしてきましたが、ここからは実際にどのような準備が必要かということを述べていきます。
大きくは次の2点です。
・お金に関する準備
・新しいキャリアに対する準備
この準備をしっかりしておけば教師からの転職の失敗を避けられる可能性はかなり高くなると言えます。
資金計画を立ててみる
まずはお金の準備です。
転職に関わる資金計画を立ててみましょう。手順は次の通りです。
- 家計の平均的な月の収入・支出を出してみる
家計簿と同じように、月間の収入、支出を出してみて、お金の出入りを見える化していきましょう。もちろん年間の収支でも構いません。 - 転職や起業に向けた目標貯蓄額を決めてみる
1で収支差引残高を出したら、辞めた後に何年分の生活費があれば安心できるか(何年で軌道に乗せられるか)を考え、転職、起業が安定するまでの目標貯蓄額を計算してみましょう。 - 貯蓄額を出してみる
現在の蓄えを出してみましょう。預貯金だけでなく貯蓄性のある保険や金融資産なども含めて計算してみましょう。しっかり数字を出すと意外にも多くの蓄えがあることに気づく人も少なくありません。 - これからの目標貯蓄額を知る
2で出した目標貯蓄額から3の現在の貯蓄額を差し引いた額が、実際これから貯めていかなければならない額になります。 - 目標貯蓄額を達成するための具体的な行動リストを作る
目標額を知ったら、それを達成するための節約、貯蓄につながる具体的な行動リストを作ってみましょう。今日明日からできる小さな行動をリスト化してみてください。
例)1週間でビールを一本減らす、証券口座を開設する、飲み会を月1回減らす
資金管理というのは、やろうと思えばだれにでもできるのですが、特に普段、売上などに関わることのない教員や公務員は実際に取り組むことが少ないのが現状だと思います。
僕然としたイメージではなく、具体的な数字や行動に落とし込むことで見えることはたくさんありますし、行動も細分化してあげることで、実際に行動に移しやすくなります。
ぜひ、転職を考えたタイミングが良い機会と捉えて、取り組んでみることをおすすめします。
転職活動をどうするか考える
教員から転職する場合に悩むのが転職活動をどのように進めるかということです。
- 教員在職中に転職活動をする(休職などの場合も含め)
- 教員を退職してから転職活動をする
どちらかになりますが、それぞれのメリット・デメリットを考えてみましょう。
【在職中に転職活動をする場合のメリット】
これは何と言っても、うまくいけば退職したタイミングで次の仕事があるという安心感でしょう。教師からの転職の大きな不安は「お金・仕事」です。それを教員在職中に解決できるなら、何よりのメリットになるでしょう。
【在職中に転職活動をする場合のデメリット】
教員を辞めることの理由に「多忙」というものが少なからずあるはずです。その場合、教師の仕事をしながら転職活動を並行して進められるかというと疑問が残ります。どちらも中途半端になり、心身の負担も倍増することが考えられます。
そもそも、民間企業の採用時期が教員のスケジュールに合っているわけではありませんから、かなり苦労することは覚悟しておく必要があるでしょう。
また、失敗を恐れ、焦って転職先を決めようと、妥協し過ぎた結果、教員のときよりも辛い職業に就くことも考えられます。
【退職後に転職活動をする場合のメリット】
退職後であれば、何も気にすることはありませんから、転職活動に集中することができるというのが一番のメリットです。
企業の採用時期は教員のスケジュールに合わせてくれませんから、そういった意味でも、退職後であれば、転職に合わせて活動ができます。
【退職後に転職活動をする場合のデメリット】
やはり、これは一時的に職を失うこと、収入がなくなることの不安です。それを覚悟のうえで転職に踏み切るとはいえ、実際にその状況になると不安にあるのは仕方のないことです。
それでも、わかっているのと知らないのとでは不安の度合いがまったく異なりますから、心の準備をしておくことが大切です。
また、何か月あるいは何年、蓄えで賄えるかを把握しておくことが重要で、そのための資金管理はぜひしておくことをおすすめします。そうすることで、気持ちに余裕をもって転職活動に専念できます。
以上をのことを踏まえると、在職中は教師の仕事に集中し、負担のない準備はしておくというところにとどめておくほうが現実的です。
そして、退職後、転職活動に集中したほうが、自分により合った職を得る可能性が高くなると言えます。その際は、時間的、資金的に十分余裕を持った計画を立てることをおすすめします。
焦らず、長期的に転職活動にあたるつもりでいたほうが、結果的に失敗を避けることにつながるでしょう。
起業するなら今からできることは意外とたくさんある
ここでは教員からいわゆる転職ではなく、フリーランスとして働いたり、起業したりする場合についてお伝えします。
その場合は、教員在職中に準備できることはあります。教員は原則、副業はできませんので、教師の仕事をやりながら、次にやろうとしていることで収入を得ることはできません。
しかし、収入を得るという形でなければ、在職中であっても少しずつ取り組めることはあります。
もちろん、退職後にどのような仕事をするかにもよりますが、ブログ、YouTubeなどでの情報発信、集客の仕組の構築、講座やセミナーなどへの参加などが挙げられます。
フリーランスや起業の場合、はじめてすぐに安定した収入を得るのが難しいので、在職中にやれることをこつこつ取り組んでおけば、それだけ早く結果に結びつくと言えるでしょう。
こちらの記事もぜひ参考にしてください↓
『教師の副業は禁止?教員・公務員が収入を増やす方法を徹底解説!』
失敗しない教員の転職先
教師からの転職で失敗したくないと思うのであれば、転職先はよく考える必要があります。
人によって優先することは異なると思います。ですから、
「何をもって転職を成功とするのか、失敗とするのか」
という自分なりの基準を明確にして転職先を選んだほうがよいです。
・収入を最優先するのか
・自分のやりたいことを最優先するのか
・土日にしっかり休めることを優先するのか
・雇われるのではなく自分でビジネスをすることを最優先するのか
他にもその人なりの基準があると思いますので、それを再確認しておきましょう。
教員と類似の業種であればハードルが低い
教員からの転職で最もハードルが低いのは、教員の仕事と似たような仕事です。
塾や予備校の講師といったものが代表的なものです。他にも学習支援員や教育関係の出版社など、主に教育関係の職業が当てはまります。
これらは教員のスキルをそのまま生かせるメリットがあるので、転職先の候補にあがりやすいです。
勤務体系や時間が自分の基準と合えば、よい選択肢になります。
本当に好きなことなら業種にこだわる必要はない
教員の転職は難しいと言われる理由に、教師のスキルをそのまま生かせる仕事が少ないことが挙げられます。
しかし、本当に自分がやりたいことであれば、それなりの情熱を持って取り組めることができるはずです。
多少、時間がかかっても、せっかく教員から転職することを決めたのであれば、やりたいことにこだわって転職先を見つけるのは間違っていないと思います。
また、自分が納得できる職を探すのであれば、多少時間がかかったり、苦労したとしても、それを失敗とは思わないでしょう。
資金管理だけはしっかりして、じっくりと本当にやりたいことを追求するのもよいのではないでしょうか。
先生の強みを生かして起業することもおすすめ
先生の強みを生かして、起業することもおすすめです。
というのは、現在の社会情勢を考えると求人自体、減少していますし、副業が認められたりしています。つまり、自分で稼ぐという視点が必要になってきているということです。
世間では「つぶしがきかない」なんて言われる教師という先生業は、実はオールマイティな強みを持っているんです!
ぜひこちらの記事をよんでみてください! ↓
教師の転職・退職の後悔しない辞め方やタイミング
教員が転職や中途退職に失敗しないようにという点では、辞め方やタイミングも大切な要素と言えます。
ここでは二つの考え方を紹介しておきます。
【応援されて転職する】
辞めるときに周囲へ迷惑をかけるのではないかとうしろめたさを感じてしまう人は多いですよね。でも、やっぱり周りから応援されて転職できたらうれしいですよね?
そのためには、
- 教員の残りの在職期間を手抜きをせず過ごす
- 転職することはぎりぎりまで黙っておく
- 可能な限り、年度末で退職する
- 引継ぎ事項はしっかりしておく
これらは最低限クリアしておくと、周りも納得して応援してくれると思いますよ。
【自分の都合を最優先する】
上記とは反対になるかもしれませんが、もう一つの考え方は、どうせ辞めるんだから、割り切って自分のやりたいようにキャリアチェンジを進めるということです。
もちろん、その人の状況によると思いますが、休職などをしている場合は、まず自分の状態を最優先するべきだと思います。また、そのタイミングで退職しなければ次のチャンスはないというような状況であれば、迷うことなく行動すべきだと思います。
大切なのは、自分自身がより幸せになるために転職したり、起業したりするわけですから、他人に気を使い過ぎる必要はないということです。
逆に、それくらいの図太さがあったほうがうまくいくと思います。
退職のタイミングについては、こちらの記事も参考にしてください↓
『教員を退職するならどのタイミング?年度途中ならいつの時期がベスト?』
教員を辞めたらその後に幸せになれるかはあなた次第!
教師を辞めて転職する、退職する、起業するとなると、失敗するのではないかと不安になるのはわかります。
僕が教員を辞める時も、不安はもちろんありました。
でも、失敗とか成功という考えはあまりなかったと記憶しています。
「なぜ教師を辞めるのか?」
ほとんどの人に共通して言えるのは、「もっと幸せになりたい」「もっと自分らしく働きたい」「もっと自分の時間や家族との時間が欲しい」といったことですよね?
教員を辞めることでそれが叶うのなら、それだけで失敗にはならないのではないかと考えています。
収入を増やしていくことは必要なことですから、試行錯誤しながらトライしていくのは当然のことです。
結局、教員を辞めたらその後に幸せになれるかは、自分がそう思えるキャリアチェンジをするかどうかです。
同じ転職先、同じ収入であっても、ある人にとっては成功であり、ある人にとっては失敗かもしれません。
自分の基準をしっかり持って、自分が幸せと思える転職をすることが、自分だけの成功につながるのですね。
ぜひこちらの記事も読んでみてくださいね↓