不可算名詞(数えられない名詞)の数え方
英語の名詞には「数えられる」「数えられない」という概念があります。
数えられる名詞 ⇒ 可算名詞
数えられない名詞 ⇒ 不可算名詞
とそれぞれ呼びます。
可算名詞・不可算名詞に関しては、こちらの記事で、違いや見分け方などを詳しく解説していますので、ぜひ確認してみてください↓
今回は
- 不可算名詞(数えられない名詞)は、数えられるの?
- どうやって数えるの?
を解決していきます!
不可算名詞とは?
まず、数えられない名詞である不可算名詞をザックリと復習していきましょう。
不可算名詞には複数形がない
不可算名詞は数えられない名詞ですから、複数形がありません。なので名詞の終わりに ‘s’ をつけることもないのです。
常に単数形で使うということです。
例)〇 water(水) ✖ waters
a(an) 、two、three など数を表す語が直前につくことはない
「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」と数えられないわけですから、不可算名詞の直前に a(an) 、two、three、four・・・などがくることはありません。
例)〇 rice(米) ✖ a rice
〇 happiness(幸せ) ✖ two happinesses
〇 money(お金) ✖ three moneys
数えられない名詞の性質
英語ではどのような名詞が数えられないのかを確認してみましょう。
- 決まった形のない「金属」「液体」「気体」「材料」など(物質名詞)
例)gold(金) coffee(コーヒー) air(空気) wood(木材) など - 感情や概念、物事の性質や状態を表す抽象的な名詞(抽象名詞)
例)advice(助言) information(情報) honesty(素直さ) happiness(幸せ) など - 人や土地、建物などの物につけた名前(固有名詞)
例)Eric(人名:エリック) New York(ニューヨーク ) Mt. Fuji(富士山) the British Museum(大英博物館) the Pacific(太平洋) など※固有名詞は大文字からはじめます。また、 ‘the’ を伴って表されるものがあります。
- いろいろな種類の総称として用いる名詞(集合名詞)
例)furniture(家具) clothing(衣類) mail(郵便物) food(食べ物) など※同じ種類の総称は可算名詞になります。
日本語でものの数え方を考えてみる
不可算名詞という数えられない名詞の感覚はつかめたでしょうか?
ここからは、「数えられない名詞は数えられるの?」ということを考えていきましょう。
すこしおかしな表現になってしまいますが、「数えられない名詞は数えられるんです!」
数えられないのに、数える?頭がこんがらがってきた~
英語の名詞の分類上、可算、不可算としてはいますが、不可算名詞でも数えることってありますよね?
例えば、paper(紙)という不可算名詞。一枚とか一切というふうに数えますよね?
その数え方を確認してみましょう。
日本語の数え方の単位を思い浮かべてみましょう。
「~個、~人、~冊、~台、~本、~匹、~頭、~羽」
これらは、その名詞そのものを数える単位ですよね?
こういった数え方をするのは可算名詞(数えられる名詞)に使われます。
「~かけら、~片、~切、~かたまり、~枚、~スライス」
これらはどうでしょう?
パーツを取り出したイメージですよね。
「~杯、~さじ」
これらは容器などに入っている感じがしますね。
実は、この感覚こそが不可算名詞を数える感覚なんです。
数えられない名詞を数える方法
では、実際に英語ではどのような表現を使って不可算名詞を数えるのかを確認していきましょう。
まず、とてもよく使われるのが
a piece of ~ (~かけら、~片、~切、~かたまり)
ケンタッキーフライドチキンでチキンをピースという単位で呼んでいるの、わかりますか?
「チキン一かたまり」というイメージです。ニワトリ一羽から切り出したのがチキンですよね。
a piece of chicken となります。
チキン2つならば、two pieces of chicken となるわけです。
2つ以上の時は、piece が複数形になるということに気をつけましょう。
piece は、information(情報)、news(知らせ)、advice(助言)などにも使われます。
例)a piece of information, three pieces of advice
形でイメージできる不可算名詞の数え方
どんな形になっているかをイメージしてみると覚えやすい数え方を紹介します。
- a piece of paper(紙切れ一枚)
- a sheet of paper(紙一枚)
piece は「片、切、かけら」という意味を持っているので、「紙切れ」のイメージです。
sheet はシートですから、「標準的な紙一枚」をイメージできますね。
- a slice of bread(パン一枚)
slice はスライスですから、「食パンのようにスライスされたパン一枚」がイメージできます。
- a bar of chocolate(板チョコ)
bar は「棒状、長方形」なので長方形のチョコレートで「板チョコ」になります。
決まった形を持たない性質の不可算名詞が、形状を表す単語をつけることではっきりしたとイメージになるのがわかりますよね。
容器でイメージできる不可算名詞の数え方
次は、不可算名詞を器に入れることで、形を明確にして数えるやり方です。
- a glass of water(コップ一杯の水)
- a cup of coffee(コーヒー一杯)
- a bowl of rice(茶碗一杯のごはん)
- a bottle of soda(ソーダ水一瓶)
- a spoonful of salt(塩一さじ)
これらは、それぞれが容器で具体的な形になっているのがわかりますね。その不可算名詞がどんな容器に入れられるかをイメージすればよいわけです。
不可算名詞も形をイメージできれば数えられる
不可算名詞 ⇒ 具体的で決まった形がイメージできないもの
つまり
「数えることができない」
そうなると、逆に不可算名詞でも
「具体的に決まった形がイメージできるようにすることで数えられるようになる」
ということなんですね。
そのために、ここまで確認してきた piece や glass などの名詞を使って、具体的な形を作り上げていることがわかります。
ですので、数えるときには
a glass of ~
two glasses of ~
three glasses of ~
というように、形や容器を表す可算名詞のほうを複数形にしていけばよいわけです。
丸暗記ではなくて、形をイメージしながら覚えると楽しく覚えられそうですね!
不可算名詞の数え方一覧
代表的な可算名詞の数え方例を示しておきますので、ぜひ参考にしてください。
【形からイメージできる数え方】
不可算名詞を 数えるための名詞 | 意味、イメージ | 例 |
---|---|---|
piece | かけら、片、切れ、かたまり | a piece of pizza(ピザ一切れ) |
sheet | ~枚 | a sheet of paper(紙一枚) |
slice | ~枚、スライス | a slice of ham(ハム一切れ |
bar | 棒状、長方形 | a bar of gold(金の延べ棒一本) |
cake | ~個、かたまり | a cake of soap(石鹸一個) |
cube | 立方体 | a cube of sugar(角砂糖一個) |
loaf | ~個、四角のかたまり | a loaf of bread(パン一斤) |
block | かたまり | a block of ice(氷の塊) |
【容器からイメージできる数え方】
不可算名詞を 数えるための名詞 | 意味、イメージ | 例 |
---|---|---|
cup | カップ | a cup of tea(紅茶一杯) |
glass | コップ | a glass of milk(コップ一杯の牛乳) |
bottle | 瓶 | a bottle of wine(ワイン瓶一本) |
bowl | 茶碗 | a bowl of rice(ごはん茶碗一杯) |
pinch | つまみ | a pinch of pepper(コショウ一つまみ) |
spoonful | スプーン | a spoonful of salt(塩一さじ) |
box | 箱 | a box of popcorn(ポップコーン一箱) |
bag | 袋 | a bag of |
bucket | バケツ | a bucket of water(バケツ一杯の水) |
【単位からイメージできる数え方】
不可算名詞を 数えるための名詞 | 意味、イメージ | 例 |
---|---|---|
acre | エーカー(面積約4047㎡) | an acre of land(土地1エーカー) |
inch | インチ(約 2.5 cm) | an inch of rain(1インチの降雨) |
pint | パイント(約500ml.) | a pint of beer(ビールジョッキ一杯) |
gallon | ガロン(約 3.5 l.) | a gallon of water(水1ガロン) |
可算名詞と不可算名詞の見分け方、違いについての詳しい解説はこちら↓