英語の自動詞と他動詞の見分け方って?違いはここにある!
英語で「動詞」というと、いくつか思い浮かぶものがあると思います。「be 動詞と一般動詞」、「動作動詞と状態動詞」などなど。
ここでは、その中で「自動詞」と「他動詞」というものを解説していきたいと思います。
あなたは英文の中に使われている動詞を見たときに、なんとなくでも「これは自動詞かな」「これは他動詞だな」というイメージができますか?
そのイメージがある人は、すでに自動詞と他動詞を見分けられるセンスを持っていますので、あとは明確に説明ができるようにレベルアップさせてください。
もし、まったくわからないという人もご安心を。この先を読み進めていけば、しっかり見分けられるようになりますので。
自動詞と他動詞って何?
「自」と「他」という文字が使われているので、なんとなく「自分」とか「他人」というイメージだけ抱いている人は多いのではないでしょうか?
なんとなくのイメージをここで徐々に明確にし、あなたの英語のレベルを飛躍させていきましょう。
まずは、大まかに自動詞と他動詞を説明していきます。
まず、シンプルな定義です。
自動詞:その動作の対象(目的語)がないもの
他動詞:その動作の対象(目的語)があるもの
これは、基本的には日本語も英語も同じと思っていただいてよいでしょう。
例えば、「座る」という行為を考えてみたとき、「~を」という対象はありません。
「私は座ります」といえば、それでおしまいですね。
これが「自動詞」です。
それに対し、「私は見ます」というときに、何かすっきりしませんよね?
「何を」「見る」のかわからないからです。
「私は映画を見ます」といったらどうでしょうか?
すっきりしますよね。
このように、「見る」という行為の対象「映画を」が存在して、文を成り立たせているんです。
このように、行為の対象を伴うものが「他動詞」です。
実際に英語の自動詞、他動詞ではこのように単純にいかないことが出てきます。それはこれから、解説していきます。
ただ、シンプルではありますが、ここで述べた定義が基本的な考え方になりますので、しっかり頭に入れて先へ読み進めてみてください。
まずは日本語の自動詞、他動詞で考えてみよう
僕たち日本人が日本語を話すときには、文法的なことを意識してはいませんが、日本語にも自動詞、他動詞というものはあります。
日本語の自動詞と他動詞は、英語に比べ、すっきりと区別されます。
それを確認し、意味の上での自動詞、他動詞を理解しましょう。
そして、それを英語の自動詞、他動詞の理解へとつなげていきたいと思います。
復習ですが、
自動詞:その動作の対象(目的語)がないもの
他動詞:その動作の対象(目的語)があるもの
でしたね。
日本語の自動詞、他動詞は次の4つのパターンに分類できます。
上記の定義を踏まえながら確認してみましょう
【自動詞のみで使われる動詞】(「~を」を要しない)
「座る」「眠る」「走る」など
【他動詞のみで使われる動詞】(「~を」を要する)
「好む」「忘れる」「疑う」など
【自動詞と他動詞の両方で使われるが、表現は異なる動詞】
「開(あ)く / 開(あ)ける」
例)ドアが開く / ドアを開ける
「曲がる / 曲げる」
例)スプーンが曲がる / スプーンを曲げる
「壊れる / 壊す」
例)おもちゃが壊れる / おもちゃを壊す
などなど
【自動詞と他動詞の両方で使われ、表現も変わらない動詞】
「開(ひら)く」
例)ゲートが開く / ゲートを開く
「決定する」「実現する」などのような「名詞+する」
例)会社名が決定する / 会社名を決定する
夢が実現する / 夢を実現する
こうして、改めてみると、普段何気なく使っている日本語もおもしろいものですね。英語も基本は同様の考え方ですので、興味を持って、英語の仕組みに触れてみてください。
英語の自動詞と他動詞の違いと特徴
自動詞と他動詞の基本的な考え方はイメージできたと思います。
ここからは英語の自動詞と他動詞の違い、それから日本語との違いや特徴を確認していきましょう。
自動詞と他動詞に関しては、英語も日本語を基本的な考え方は大きく違いません。
ただ、言語が違えば、イコールにはならないことはいくつか出てきます。
英語と日本語で同じ部分、異なる部分を認識しながら、学習していくと理解は深まると思います。
英語の自動詞と他動詞の違い
まず、英語の自動詞と他動詞がどう違うのかを、早速、英文で比較してみましょう。
以下の英文の動詞は自動詞か他動詞かを考えてみてください。
① The car stopped at the corner.
(車が曲がり角で止まった)
② He stopped the car at the corner.
(彼は曲がり角で車を止めた)
いかがでしょうか?
確認してみましょう。
①の ‘stopped’ は自動詞です。
「車が・止まった」ということで、「止まる」という動詞の対象(目的語)となるものは存在しません。
②の ‘stopped’ は他動詞ということになります。
「彼は・止めた・車を」ということですが、「止める」という行為の対象(目的語)、つまり「車を」が存在します。今回は ‘stopped’ の対象(目的語)が ‘the car’ ということになります。
同じ ‘stop’ という動詞でも「車が止まった」・「車を止めた」というように、自動詞と他動詞の両方が存在します。
その違いは
『動詞に続く対象、つまり、目的語の有無である』
ということがお分かりいただけたと思います。
自動詞 ⇒ うしろに目的語(~を)が続かない
他動詞 ⇒ うしろに目的語(~を)が続く
これを基本として、先を読み進んでもらえると、英語の自動詞と他動詞は簡単に見分けることができるようになります。
ここまで理解できたという人はファーストステップとしては、十分合格ですので、自信を持ちましょう。
まだ、いまいち理解不十分という人も、とりあえず先へ進みましょう。少しずつ理解が深まっていきますのでご心配なく。
続いては、英語の自動詞と他動詞の特徴を確認していきましょう。特徴でもあり、気をつけるべき点でもあります。
日本語の意味では目的語が続いても、英語では必ずしも他動詞であるとは限らない
これも早速、具体例を用いて確認していきましょう。
「私はカギを探しています。」と表現する場合、
日本語であれば、「カギを」という目的語があるので、「探す」という動詞は「他動詞」になります。
ところが、英語では、
“I am looking for my key.”
となり、‘look’ という動詞の後ろには目的語となる名詞ではなく、‘for’ という「前置詞」がきています。
したがって、英語ではこの ‘look’ は「自動詞」になるのです。
ちなみに ‘look for ~’ で「~を探す」という意味になります。
意味としては「他動詞」のように見えても、英語では「自動詞」として使われるケースはよくあるんです。
少し混乱してしまった人もいるかもしれませんが、このあとでもさらに例を出しながらわかりやすく説明していきます。
後々、混乱しないように「こういうパターンがあるんだなぁ」という具合に頭の準備だけはしておいてくださいね。
多くの英語の動詞は自動詞と他動詞の両方の意味を持っている
先ほど例で用いた ‘stop’ という動詞は自動詞では「止まる」、他動詞では「~を止める」と両方の意味を持っていましたね。
実は、英語の動詞のほとんどが「自動詞」「他動詞」両方の意味を持っているんです。
とは言っても、日本語にも同じことが言えます。先ほど、日本語の自動詞と他動詞でも確認したように、
「自動詞と他動詞の両方で使われるが、表現は異なる動詞」というものがたくさんありますし、【自動詞と他動詞の両方で使われ、表現も変わらない動詞】もありましたね。
ドアが開く / ドアを開ける
スプーンが曲がる / スプーンを曲げる
おもちゃが壊れる / おもちゃを壊す
ゲートが開く / ゲートを開く
ここで着目していただきたいのは、日本語の場合、大部分は「壊れる / 壊す」のように自動詞と他動詞では語尾の活用が生じる点です。
「開(ひら)く」のように、自動詞、他動詞ともに同じ表現になるものは限られていますし、「決定する」「実現する」などのような「名詞+する」の表現がほとんどなんです。
それに対して、英語はどうでしょう?
英語の場合は日本語と反対で、
ほとんどの動詞に自動詞、他動詞両方の意味がある
open「開(あ)く / ~を開(あ)ける」
burn「燃える / ~を燃やす」
grow「成長する / ~を成長させる」
play「遊ぶ / (スポーツ、楽器)をする、演奏する」
stand「立つ / ~を我慢する」
などなどあげればきりがありません。
今度、辞書を調べる際は、ぜひ自動詞、他動詞それぞれどのような意味で使われるのかを気にしてみてください。
自動詞は [自] や [vi.] [v.i.] (intransitive verbの略)などと表記されています。
他動詞は [他] や [vt.] [v.t.] (transitive verbの略)などと表記されています。
辞書によって多少異なりますが、基本的にはより頻繁に使われるほうが先に掲載されています。
日本語と違い、英語の自動詞、他動詞は語尾が変化するようなことはありません。
ですから、ひとつの動詞を覚えれば、自動詞でも他動詞でも使えたり、複数ある意味をひとつの動詞で表現できるので、便利ですよね。
英語の自動詞と他動詞の見分け方
ここまでは英語の自動詞と他動詞の基本的な違いを確認していきました。
ここからは、実際にそれらを見分けるポイントを解説していきます。
ポイントを4つ述べています。
・他動詞の見分け方
・自動詞の見分け方
・動詞の意味を正確に捉えることによる見分け方
・基本5文型を活用した見分け方
ひと通り触れてみて、そのうえで、それぞれ自分に合った見分け方を見つけてみてくださいね。
まずは他動詞を見分ける:目的語が続くのが他動詞
まずは、他動詞を見分けられるようにしましょう。
これは、なぜかというと「他動詞のほうが見分けやすい」ということと「英語の動詞は他動詞が使われることが多い」という理由があります。
裏を返せば、他動詞が見分けられれば、それ以外は自動詞ということになります。
他動詞には目的語となる名詞や名詞のかたまりがつづく
まずシンプルに他動詞というものを理解してください。
他動詞 ⇒ うしろに動詞の対象となる名詞〈目的語〉が続く
他動詞は、動詞のすぐ後ろに「~を」「~に」と動詞の対象になっている名詞が続きます。
自動詞にもうしろに名詞が続くものはあります。
ただ、自動詞の場合は動詞の対象ではなく、主語と「イコール」になりますので、そこだけしっかり見極めることができれば、自動詞、他動詞の使い分けは簡単にできるようになります。
【他動詞の例】
“I played baseball yesterday.”
(私は昨日野球をした)
これは、「play(~をした)」の対象として「baseballを」と「何をしたのか」という目的語がうしろに続いています。
したがって ‘play’ は「他動詞」です。
【自動詞で後ろに名詞がくる例】
“She became a nurse.”
(彼女は看護師になった。)
“He is a teacher.”
(彼は先生です。)
これらは ‘she’ イコール ‘a nurse’ であり、‘he’ イコール ‘a teacher’ となります。
したがって、’become’、’is’ は「自動詞」となるわけです。
他動詞は、うしろに目的語、つまり動詞の対象となる名詞がくるというのはお分かりいただけたと思います。
ここからは、単純な目的語だけなく、目的語の役割をするかたまりもありますので、確認していきたいと思います。
目的語の役割をする名詞の種類
目的語には「名詞」がくるということは確認できたと思います。
ただ、ひとくちに「名詞」と言っても ‘ a nurse’ や ‘the movie’ のような単純な名詞もあれば、「動詞が形を変えて名詞になったもの」や「名詞の役割をしているかたまり」もあります。
ここでは、その「動詞が名詞化したもの」や「名詞のかたまり」にはどのようなものがあるかを確認していきます。
【句と節】
まず、かたまりという概念を理解しておきましょう。かたまりには「句」と「節(せつ)」というものがあります。以下の意味になります。
句 : S(主語)・V(動詞)のセットを含まないかたまり
節 : S(主語)・V(動詞)のセットを含むかたまり
そして、今回は名詞の役割をするものをそれぞれ学習しますから、
S、Vを含まない2語以上のかたまりで名詞の役割をするもの ⇒ 「名詞句」
S、Vを含む2語以上のかたまりで名詞の役割をするもの ⇒ 「名詞節」
この二つを頭に入れて先に進んでみましょう。
【名詞句】
「名詞句」はどのようなものがあるか確認してみましょう。
① a tall tree(高い木)
② playing video games(テレビゲームをすること)
③ to see Mt. Fuji(富士山を見ること)
④ how to get to the station(駅への行き方)
⑤ what to do next(次に何をしたらいいか(ということ))
まず、「句」にはS、Vのセットがないというのは確認できましたね。動詞そのものは含まれているものはありますが、「誰、何が・どうした」という主語、動詞のセットはありません。
そして、①のように単純に形容詞 ‘tall’ がくっついたものも、2語以上のかたまりですから「句」です。
②は ‘play’ に ‘ing’ がつくことにより、動名詞になって「すること」と名詞になっているのがわかります。
③は ‘see’ に ‘to’ がつくことにより、 to 不定詞となり「見ること」と名詞になっています。
④⑤は「疑問詞+ to 不定詞」という形で名詞句を作ります。
‘how to ~ ‘ は「どのようにしたらいいか(ということ)」、「~のやり方」という名詞句をつくりますし、’what to ~ ‘ で「何を~したらいいか(ということ)」という名詞句を作っています。
それぞれの疑問詞に応じて「疑問詞の意味・~したらいいか」というふうに意味をとらえればいいです。
【名詞節】
続いては、「名詞節」の例を確認していきます。
① that you are in New York
(あなたがニューヨークにいるということ)
② why he didn’t come
(なぜ彼が来なかったのかということ)
③ where we first met
(どこで私たちが最初に出会ったのかということ)
④ whether(if) she likes Sushi
(彼女が寿司を好きかどうかということ)
まず、すべてS、Vを含んでいることを確認してください。下線部がS、Vです。
これが「節」です。
そして、that や疑問詞が「名詞のかたまり」を作っていることがわかりますね。これが「名詞節」です。
短い名詞のかたまりだけでなく、こうしたある程度まとまったかたまりが名詞の役割で使われることに慣れてください。
もちろん、他動詞のうしろにこうした「名詞句」や「名詞節」が続きますし、自動詞、また、前置詞のうしろにもこれら「名詞句」「名詞節」がくることもあるということを理解しておきましょう。
他動詞と目的語はペアで考えよう
では、確認した「名詞句」や「名詞節」を他動詞とペアにして、ひとつの英文として確認しましょう。
① We found a tall tree.
(私たちは高い木を見つけました)
② I like playing video games.
(テレビゲームをするのが好きです)
③ They want to see Mt. Fuji.
(彼らは富士山を見たがっている)
④ Could you tell me how to get to the station.
(駅への行き方を教えていただけますか)
⑤ I don’t know what to do next.
(次に何をしたらいいかわからない)
⑥ I hear that you are in New York.
(あなたはニューヨークにいると聞いています)
⑦ She doesn’t know why he didn’t come.
(彼女はなぜ彼が来なかったのかわからない)
⑧ We don’t remember where we first met.
(私たちは自分たちがどこで最初に出会ったのか覚えていない)
⑨ I asked him whether(if) she likes Sushi.
(私は彼に彼女が寿司が好きかどうかたずねた)
以上のように、すべて他動詞が用いられ、そのうしろにはさまざまな形の名詞が続いているのが確認できましたね。
④と⑨の例文のように、目的語「~に」「~を」の両方がうしろに続いているパターンも確認できたと思います。
このように
「他動詞」は「名詞や名詞のかたまり」とセットになる
ということをしっかり覚えておきましょう。
自動詞の見分け方:自動詞のうしろに続くのは?
次に自動詞の見分け方ですが、他動詞ではうしろに目的語が続くことを学習しましたね。
ですので、自動詞はその逆を考えましょう。
自動詞 ⇒ 後ろに目的語(~を、に)が続かない
ということになりますね。
では、自動詞のうしろにはどんなものが続くのかというと、
・なにもつづかない
・前置詞のかたまり
・副詞
・補語(形容詞、名詞)
自動詞のうしろには目的語はこないということを認識しつつ、上の4つのパターンに着目しましょう。
ひとつずつ、例文を用いながら確認していきましょう。
・なにもつづかない
She smiled.(彼女はほほえみました)
He died.(彼は死んでしまった)
何かしら修飾語がくっついていることは多いのですが、シンプルに「誰、何が・どうした」という表現をする場合には、動詞で終わる場合はあります。
上の二つの例文を見るとわかるように、目的語「~を、に」のつながりはありませんよね。
ですので、’smiled’ と ‘died’ が自動詞であるとわかります。
・前置詞のかたまり(前置詞句)
まず、「前置詞」とは文字通り「前に置くことば」でしたね。
そして「名詞の前に置くことば」です。
つまり「前置詞」+「名詞」のセットで使いましょうということです。
to, in, at, for, on, of, under, over, with, about などが前置詞です。
それぞれ名詞とセットになって、「場所」や「時」などを表します。
自動詞と前置詞句がつながる例文を見てみましょう。
My aunt lives in Tokyo.
(叔母は東京に住んでいる)
The plane arrives at Naha airport at 9:00.
(その飛行機は9:00に那覇空港に到着する)
I am looking for my key.
(カギを探しているんです)
それぞれの例文で使われているのはすべて自動詞です。後ろに目的語となる名詞はきていませんね。
すべて「前置詞と名詞のかたまり(前置詞句)」がきています。
・副詞
まず、副詞とは何かを確認しておきましょう。
本来の定義としては
「名詞以外を修飾するもの」
です。
ただ、今回は自動詞との組み合わせで考えていきますので、
「動詞を修飾するもの」
と捉えておきましょう。
早速、例文で確認していきます。
She smiled kindly.
(彼女は優しく微笑んだ)
I walk fast around my house every morning.
(わたしは毎朝、家の周りを速く歩いています)
My brother came home at 8:00.
(兄は8時に帰ってきた)
このように動詞に係るものが副詞です。
3つ目の例文の ‘home’(家へ)は、「家」という名詞の意味ももちろんあるのですが、英語では 「家へ」「家で」といった副詞の意味で使われることが実は多い単語です。
‘abroad(外国へ、で)’ も副詞として使われ、’go abroad(外国へ行く)’、’study abroa(留学する)’ などの表現はよく目にします。
つまり、これらの前にある動詞の come, go, study は自動詞として使われているということです。
・補語(形容詞、名詞)
自動詞に続くものには「補語」、文型の記号では「C」になるものもあります。
まず、補語の概念は
主語(S)の状態や性質を表す形容詞
主語(S)の存在を表す名詞
つまり、主語(S)と補語(C)を結びつける動詞が「自動詞」ということになります。
例文で確認してみましょう。
① You are kind.
(あなたって優しいのね)
② Jim is sad.
(ジムは悲しんでいるよ)
③ Kate looks sleepy.
(ケイトは眠そうだ)
④ I feel nice.
(気分がいい)
⑤ (It) Tastes good!
(おいしい!)
⑥ She became ill.
(彼女は具合が悪くなった)
⑦ She became a politician.
(彼女は政治家になった)
⑧ They are my classmates.
(彼らは僕のクラスメイトだよ)
いずれも動詞は「自動詞」が使われています。
こうして見ると、「be動詞」、「知覚を表すような動詞」、「ある状態や、ある存在になるという意味の動詞」は「自動詞」であるということがわかります。
そして、後ろに「補語」が続いているのがわかりますね。
①は「主語の性質を表す形容詞」、②~⑥は「主語の状態を表す形容詞」、⑦⑧は「主語の存在を表す名詞」が続いています。
⑦の ‘become’ は、うしろに名詞がくるので、他動詞と勘違いしてしまう人が多いですが、主語との関係性を見れば、
「’She(彼女)’ が ‘a politician(政治家)’ になった」つまり「彼女イコール政治家」ということですから、当然、‘a politician(政治家)’ は「補語」であり、「目的語」ではありません。
したがって、’become’ は「自動詞」ということがわかりますね。
こういったものが「補語」であり、「自動詞」のうしろに続きます。
何がうしろにくるかということを覚えておけば、自動詞、他動詞は簡単に見分けることができます。
動詞の意味を正確にとらえてみよう
英語の自動詞、他動詞を見分けるポイントの3つ目です。
それは、「動詞の意味を覚えるときに正確な意味で覚える」ということです。
具体的に説明していきます。
まず、「watch」と「look」、このふたつの動詞の意味を言えますか?
そんなの簡単!「見る」でしょ!
と思った人、多いですよね?
watch ⇒ 「~を見る」
look ⇒ 「見る」「見える」
これが正解です。
watch は「他動詞」なので、「~を」を含んでいるんです。
なので、watch the movie(その映画を見る)というふうにすぐうしろに目的語がきますね。
それに対し、look は「自動詞」なので、「~を」を含んでいません。
ですので、look at that building(あの建物を見て)というふうに「前置詞」のat とセットにして表現する必要があるんです。
次の例も間違いやすい例です。
「talk」と「discuss」、これらの意味はいかがでしょうか?
talk ⇒ 「話し合う、話す」
discuss ⇒ 「~について話し合う」
つまり、talk は「自動詞」で discuss は「他動詞」ということです。
discuss the problem(その問題について話し合う)とすぐうしろに目的語がきます。他動詞だからです。
talk は、同じような意味で表現するならば、
talk about the problem と、「前置詞」の about が必要になるんです。
このように、似たような意味であっても、自動詞であるか、他動詞であるかによって、使い方が異なるということです。
ですから、動詞の意味を覚える際には「~を」や「~について」などの意味も含めて覚えてしまえば、必然的に自動詞と他動詞の」区別がつきます。
ただ、すべての動詞をそのようにして覚えようとしたら、きりがありませんから、自分が間違えやすいものや、注意すべき動詞だけでも、このようにして意味を正確に覚えてしまうというやり方は効果的です。
間違えやすい動詞は一覧にしてありますので、ぜひ活用してください。
5文型で自動詞、他動詞をとらえてみよう
英語の自動詞、他動詞の見分け方、ポイント最後の4つ目です。
これは基本5文型で見分けようというものです。
ただし、最初にお断りしておくと、基本5文型をある程度、理解しているということが前提となります。
もし、基本5文型、いまいち・・・という人はこちらの記事『英語の基本5文型の見分け方:例文を使って初心者でもわかりやすく解説』でじっくり学習してもよろしいですし、ここはとりあえず飛ばして次へ進もうでもいいです。
まず基本5文型を確認
最初に、英語の基本5文型をさっと確認してみましょう。
第1文型【S・V・(+M )】
第2文型【S・V・C】
第3文型【S・V・O】
第4文型【S・V・O¹・O²】
第5文型【S・V・O・C】
英語の文の「型」である文型はこの5つです。
実は、この文型を理解していると、自動詞と他動詞を見分けるのは一瞬で難なくできるようになります。
5文型を理解すると自動詞、他動詞は一瞬で見分けることができる
上の5つの文型の記号を見てください。
【S】は主語、【V】は動詞、【C】は補語、【O】は目的語、【M】は修飾語でしたね。【O¹】は「~に」、【O²】は「~を」という目的語です。
他動詞というものがどういうものだったかを思い出してください。
他動詞 ⇒ 後ろに目的語が続く
でしたよね。
ということは
第3文型、第4文型、第5文型に使われる動詞はすべて「他動詞」
第1文型、第2文型に使われる動詞はすべて「自動詞」
ということが一発で見分けられます。
動詞【V】のうしろに目的語【O】が続く文型、つまり第3、4、5文型は他動詞です。
動詞【V】のうしろに補語【C】であったり、修飾語【M】が続く文型、つまり第1、2文型は自動詞になるわけです。
ちなみに修飾語というのは、前置詞句や副詞ですから、先ほど、自動詞で確認してきたこともぴったり当てはまるのです。
文法というものは、難しいものと捉えてしまう人が多いのですが、実際にはその反対です。
文法を理解することによっていろいろなことが腑に落ちるようになり、スムーズに英語学習を進めてくれるものです。
ひとつずつ着実に取り組むことによって、次第にそれぞれがつながっていくのを感じられるときがきます。
自動詞、他動詞の見分け方ということで、考え方の部分はしっかりと確認してきました。
英語の自動詞、他動詞の中で、間違えやすいものを表でまとめてありますので、確認してみてください。
そういったまぎらわしいものはしっかり意識して覚えるようにしましょう。
自動詞でも他動詞でも使われる動詞一覧表
動詞 | 自動詞としての意味 | 他動詞としての意味 |
---|---|---|
eat | 食事をする | ~を食べる |
drink | お酒を飲む | ~を飲む |
read | 本を読む | ~を読む |
write | 手紙を書く | ~を書く |
move | 引っ越す、動く | ~を動かす |
grow | 育つ | ~を育てる |
start | はじまる | ~をはじめる |
fly | 飛ぶ、飛行機で行く | ~を飛ばす |
open | 開く(あく、ひらく) | ~を開(あ)ける、開(ひら)く |
walk | 歩く、散歩する | ~を散歩させる、歩かせる |
自動詞と他動詞で意味が異なる動詞
動詞 | 自動詞としての意味 | 他動詞としての意味 |
---|---|---|
run | 走る | ~を経営する |
stand | 立つ | ~を我慢する |
自動詞と間違えやすい他動詞一覧表
他動詞 | 意味 | 自動詞で表現するなら |
---|---|---|
see ~ watch ~ | ~を見る | look at ~ |
hear ~ | ~を聞く | listen to ~ |
discuss ~ | ~について話し合う、 ~について議論する | talk about ~ argue about ~ |
reach ~ | ~に着く | arrive at ~ get to ~ |
marry ~ | ~と結婚する | get married to/with ~ |
visit ~ | ~を訪れる、~へ行く | go to ~ |
enter ~ | ~に入る | go/come/get into ~ |
attend ~ | ~に出席する | be present at ~ be at ~ |
resemble ~ | ~と似ている | be similar to ~ |
approach ~ | ~に近づく | go/come/get near(er) to ~ |
mention ~ | ~に言及する | refer to ~ |
※他動詞の表現と自動詞の表現はイコールになるわけではありません。
英語に限らず、表現が異なれば、ニュアンスの違いは必ず生じます。
似たような意味合いで表現するなら、という解釈をしてください。
間違えやすい自動詞一覧表
自動詞+前置詞 | 意味 |
---|---|
agree with/to ~ | ~に同意する ※withは人や物事、toは提案 |
apologize to ~ (for …) | ~に(…のことで)謝罪する |
complain to ~ (about …) | ~に(…について)文句を言う |
wait for ~ | ~を待つ |
自動詞と他動詞でまぎらわしい組み合わせ
自動詞 | 他動詞 |
---|---|
lie 「横たわる、横になる」 | lay「~を横にする、寝かせる」 |
rise「上がる」 | raise「~を上げる」 |
この二組は [原型₋過去形₋過去分詞形] の活用も覚えておきましょう。
lie – lay – lain / lay – laid – laid
rise – rose – risen / raise – raised -raised
英語の自動詞、他動詞は使う形で覚えよう
英語の自動詞、他動詞の見分け方に関して解説してきました。
見分けるときのポイントは理解できたと思います。
英語学習において、あまり細かいことは気にせずアバウトでよいという人もいらっしゃると思います。それは段階によっては、まったく間違ってはいません。
ただ、自動詞、他動詞を含め、ひとつずつ英語の仕組みを紐解いていくと、だんだんとそれらがつながっていき、「英語ってこういう言語だったんだ」という発見につながると思います。
そして、それまで以上に、学習することがスイスイと身になっていくようになると思います。「急がば回れ」ってやつですね。
最後に自動詞、他動詞を覚えるときのコツです。
実際に使う形で覚えるということです。
例えば、
discuss を覚えるなら、
discuss the problem(その問題について話し合う)というふうに何でもいいので目的語を入れて、そのかたまりで覚えます。何度も口ずさんで。
agree であれば、
agree with you(あなたに同意します)です。
何度も口ずさんで
理屈を覚えたり、理解する段階では
discuss about the problem
agree ×you(前置詞が落ちている)
などのように間違い例を確認してもかまいませんが、
いったん理解して、覚える段階、練習して身につけようとする段階になったら、
徹底して実際に使う正しい形を繰り返し口ずさんで練習するよう心掛けてください。
間違いにフォーカスしてしまうと、間違えを覚えてしまうことがあるからなんですね。
使う形で繰り返し!それだけです!