教員を辞めるのはもったいない?辞めてよかったと思っている元教師が解説
あなたが教員を辞めたい、辞めようと思っていると誰かに伝えたとき、
「えー、もったいないよ!もう少しよく考えたら?」
こんな反応をする人、いますよね。
もしかしたら、あなた自身も心のどこかで「教員を辞めるのはもったいないのかな?」と迷いがあるかもしれません。
この記事では、元教師が「教員を辞めたら本当にもったいないのか」を解説します。
あなた自身の決断のヒントになればありがたいです。
教員を辞めるのはもったいないと言われる理由
転職や副業が身近になってきている今の世の中にあって、なぜ先生という職を辞めるともったいないと思われるのでしょうか?
まずは、その理由について考えていきたいと思います。
大まかには次の2つの理由から、教員を辞めるのはもったいないと思われたり、思ったりすることになります。
- 安心・安定
- これまでの苦労
具体的に述べていきますね。
先生は給料が安定している
やはり、ひとつ目の理由は、教員や公務員は給料が安定しているということですね。
給料が高いというわけではないでしょうが、それなりの給料が景気などに大きく左右されず、安定して入ってくるということは、何かと不安定な世の中においては安心材料にはなります。
また、定年まで働いた場合の退職金も以前よりも減ってはいるようですが、それなりの額がもらえるという安心感があります。
今回の新型コロナウィルスや大きな災害などが起こった場合、民間企業には倒産するリスクが伴います。
しかし、教員は公務員ですから倒産リスクはほぼゼロと言えるわけです。最近は、不景気の場合、公務員もある程度、民間レベルに合わせていく傾向はあるにせよ、極端な給与の削減はありません。
やはり、収入の安定を手放すことへの抵抗感から「もったいない」という考えが出てくるのですね。
福利厚生・貸付制度・給付制度が充実している
給与と同様に、教員、公務員が安心できると言われる点に福利厚生、貸付制度、給付制度の充実が挙げられます。
特徴的なものを挙げておきます。
- 人間ドックや特定検診などの補助
- 宿泊施設や芸術鑑賞利用の補助
- 住宅資金や教育資金などの貸付
- 結婚祝金や出産日給付
- 育児休業手当金
上記のものが代表的なものになりますが、詳しくは『公立学校共済組合・共済制度について』を参考にしてください。
また、教員は、病休や休職の場合も一定期間、一定割合の給与が保障されるということもメリットとして挙げられます。
民間企業と比べ、こうした充実した制度に守られているということから、辞めるのはもったいないという考え方が出てくるのも頷けますね。
狭き門を突破してきた人が多い
教師になるためには、まず、大学卒業要件とは別に教員免許取得のための要件もクリアしなければなりません。
そして、そこから教員採用試験という狭き門を突破してはじめて教師となれるわけです。
もちろん、採用試験の倍率は、年度によっても異なりますし、小学校、中学校、高校、さらには教科によっても異なりますので一律にはできませんが、それでも苦労してようやく教師として働けるということには変わりありません。
そのようにして苦労して手に入れた教員の立場を手放すのはもったいないという感覚はわからなくもないですね。
教員を辞めるのは本当にもったいないの?
教員を辞めるのはもったいない思う理由を考えると、確かに世間一般的に見れば、もったいないような気がします。
では、実際に「教師を辞めるのは本当にもったいないのか」ということについて、実際に退職して起業した元教師の僕の視点でお伝えしていきます。
もったいないと思う人は辞めない
まず、そもそも教師を辞めたい、辞めようと思っている時点で、「もったいない」という考え方は、ありません。
教員を辞めたいと思う理由は人それぞれではあると思いますが、根底にあるのは
「このまま教師を続けていては、自分の人生もったいないのではないか」
と思い悩んだからこそ、退職に踏み切るのではないでしょうか。
どっちがよいという正解はありません。
「教員を辞めるのはもったいない」と考える人は辞めないでしょうし、辞めるべきではないでしょう。
「教員を辞める」と決めている人には、辞めたらもったいないという発想はないでしょう。むしろ教師を続けることのほうがもったいないと考えているはずですからね。
もし、あなたが教員を辞めたいけど、心のどこかで「もったいないかなぁ?」と思うのであれば、もう一度よく考え、その気持ちがなくなってからでないと辞めた後に後悔すると思います。
教員を辞めたらもったいないと思うのは第三者の意見
結局、「教員を辞めたらもったいない」というのは第三者の意見でしかなく、辞める本人はそう感じていません。
「えー、もったいないね!」
という第三者の会話は成り立ちますが、
「えー、なんで?もったいないじゃん!」
「そうなんです。もったいないんですけど辞めるんです」
こんな会話はおかしいですよね⁈
「もったいないと思ってるなら辞めんなよ!」って、なっちゃいますよね。
「もったいない」と思っている
⇒ 辞めない、辞めれないレベル
「もったいない」が消えた人
⇒ 本当に教員を辞めようと決意したレベル
こんなふうに捉えてみるといいかもしれませんね。
あなたはどちらのレベルですか?
僕が教師を辞めてよかったと思う理由
僕は教員を辞めようと思ったときは「もったいない」という感覚はゼロでした。
むしろ、「何となくこのまま教師を続けてたら人生もったいないなぁ」という自分がいましたね。
もちろん、教師という仕事自体はまったく否定しません。奮闘してくださっている先生方がいらっしゃるからこそ今の教育が成り立つので。
実際、辞めてみてよかったのは、取り組むことがすべて「自分で自分のために自分のやりたいことをやっている感覚が持てているというのがあります。
教員の頃は、毎日与えられたこと、やらなければならないことを淡々とこなしてしまっていて、自由度をあまり感じることはできなかったですね。
今は自分でビジネスをしているので、全部自分の責任になりますが、クリエイティブに物事を考えることができますし、無駄がないと感じています。
辛さとかストレスは感じなくなりましたし、何より月曜日の憂鬱さみたいなものは全くない!
教員を辞めたら幸せになる人と転職して後悔する人の差
まず、教員を辞めたら幸せになるのはどんな人かというと
「幸せになるために教員を辞める人」
です。
自分の人生のゴールがあって、そこに向かうためには教師でいることが障壁になるのであれば、そのゴールにたどり着くための退職ですから、幸せになるでしょう。
ゴールは「とにかく幸せな人生を送りたい」「旅のある人生を送りたい」「家族との時間を大切にしたい」とか、漠然としたものでいいと思います。
教師を辞めて転職して後悔する人も中にはいますよね。
それは、その人にゴールがなくて、その場の勢いでとか、とにかく教師以外に転職できれば何でもいいというケースですね。
転職してもゴールがないと、結局、教員のほうがましだとか、教員と大して変わらないとか言ってしまうことになりかねないのですね。
辞める理由なんて、結局は「教師という仕事は自分に合わない」というところに落ち着くので、後づけでいいんです。
でも、どう生きたいとか、どういう働き方がしたいかというゴールはイメージしておくことをおすすめします。
(まとめ)教員を辞めると決断したなら幸せになるために辞めよう
教員を辞めると決断したからには、それなりの理由があるのだと思います。
教師の仕事が辛いのかもしれませんし、やりがいを感じないのかもしれません。
何であっても、辞めると決めたからには
「幸せになるために教師を辞める」
ということも決めましょう。
もちろん、教師を続けたら幸せになれないということではありません。どの環境にあっても、自分だけの一度きりの人生ですから、幸せであることを最優先していきたいですよね?
そうであれば、
「辞めたらもったいないのかな?」
「途中で辞めるのはよくないのかな?」
「周りの人はどう思うのかな?」
などとうしろめたさのようなものを抱えながら退職するのではなく、これからの幸せな人生をイメージして、わくわくしながら堂々と辞めていいと思いますよ。
そしたら、誰もあなたが教員を辞めるのがもったいないなんて言わなくなりますから。
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