教員からの転職が難しいのはなぜ?どう転職を成功させる?
教員から民間企業へ転職するのは、一般的には難しいと言われます。
当然、異なる業種に転職するとなれば、難しいのは教員に限ったことではないはずです。
そもそも、頻繁に教員が転職するわけではないため、周囲に手本がいなく、身近でないという心理的な要素もあるのかもしれません。
そんな中で教員からの転職が難しいと言われる理由と、教員を退職した後にどう次のキャリアにつなげていくかを解説していきます。
教員からの転職が難しいと言われる一般的な理由
まず、教員からの転職が難しいと言われる一般的な理由を述べていきます。
教員の仕事の特性と、民間企業の業務の特性の違いから、教員の転職が難しいというイメージにつながっているようですね。
教師のスキルやキャリアが役立つ職業が限られている
まず、教員のスキルや経験がそのまま生かせる転職先が限られているということが挙げられます。
教員は基本的には毎日、授業をするのが主な仕事です。
また、教科の専門的な知識というのはかなり限定されたものになるので、それが生かせる職業が簡単には見つからないということです。
企業の募集と転職時期が合うとは限らない
転職になるので、新卒者の募集とは異なります。
企業は随時必要な時に募集をします。しかし、教員の転職時期は基本的には3月末の年度末になります。
その時期に希望の企業の募集があるとは限りませんし、3~5月は応募者が多数になりますので、競争率がかなり上がる時期でもあります。
また、教員の仕事をしながら転職活動をするというのは現実的ではありません。
民間企業の募集と退職時期のタイミングのずれは、教員の転職の難しさを感じる部分です。
よほど、熱意があり、目当ての企業があるならば、年度途中での転職を考える必要があるかもしれません。
多少、周囲に迷惑がかかっても、校長にはできる限り早めに伝えて、自分の新たなスタートを切るのもやむを得ないことだと思います。
ビジネス経験の不足
ビジネス経験の不足というのは、次のふたつのことを指していると考えています。
・ビジネスマナー
・公務員としての感覚とビジネスの感覚の違い
ビジネスマナーについては、あまり気にする必要はないと思います。
知らないことは覚えていけばいいだけですし、ビジネス経験が豊富な人がマナーがしっかりしているとも限りませんし、教員だからマナーが不足しているとは限りません。個人差が出るところでしょう。
それよりも、教員が転職するときにギャップが生じるのは、民間企業はあくまで売り上げを挙げなければならないという厳しさがあるのに対して、教員は公務員ですから、売り上げや業績ということに対しては疎いはずです。
公立教員として働いている限り、売り上げを意識することはありませんし、不景気だからといって学校が倒産することもなければ、リストラにあうこともありません。
その辺のビジネス感覚のギャップは最初に苦労する部分であることは確かでしょう。
ITスキルの不足
業種によるところですが、この情報技術科学の時代において、何らかのITスキルは必要になるのは間違いありません。
ただ、今の時代、その気になれば、必要なITスキルは学ぶことはいくらでもできます。
自分が希望する業種に必要なスキルがあれば、それに合わせて退職するまで講座やスクールで学ぶことができますし、今はオンラインでも受講できる世の中です。
日頃の忙しい教員生活との両立は必須になりますが、それによって、希望職種への道が開かれるのならやるしかないでしょう。
教員時代から収入が下がる可能性が高い
安定していると言われる教員の職を手放すわけですから、一時的であったとしても、収入が下がる可能性は高いです。
収入が上がる転職ができる可能性はゼロではありませんが、難しいはずです。その収入の低下をある程度、許容できるのであれば、転職先も広がると思いますが、それが許容できないとなると、転職先を見つけるのはかなり苦労すると思います。
一時的に収入が下がったとしても、新たな職場で経験を積み、信頼を得ていけば教員時代の収入を超えることは十分可能です。
ただ、教員、公務員のように年数が経って年齢が上がれば、自動的に収入が増えるという感覚は捨て去るべきでしょう。いかに成果を上げるか、会社の売り上げに貢献できるかを考えなければなりません。
転職が難しいのは教員だけではない
教員からの転職の難しいと言われる部分についてお伝えしてきましたが、ひとつ頭に入れてほしいことは、
「転職が難しいのは教員だけではない」
ということです。
言ってしまえば、ここまで述べてきた「教員の転職が難しいと言われる理由」は、どんな職業にも当てはまるということです。
どんな職業の人でも、異業種への転職となれば、不足するスキルは身につけることになりますし、新たに学ぶべきことも出てきます。
「教員からの転職が難しい」というイメージに囚われすぎて、自分のこれからの可能性を狭めてしまうようでは本末転倒です。
- 自分が本当にやりたいことは何か
- 自分の強みがどんな仕事に生かせるか
- 何をこれから身につけておけば転職が有利になるか
こうした「やれること、やるべきこと」にフォーカスして転職に備えたほうが、教員からの転職もうまくいくのではないでしょうか。
教員からのおすすめの転職先
ということで、教員から転職する場合のおすすめの転職先ですが、ズバリ、
「あなたが情熱を持ってやりたい職業」
です。
当たり前といえば当たり前ですが、せっかく教員を辞めてまで転職するのであれば、自分の人生ですから自分のやりたいことをやってくださいとしか言いようがありません。
ただ、やりたいことが見つからないから困っているんだ、という人もいるでしょうから、教員からの転職先でおすすめできるものは下の記事を参考にしてみてください↓
教師は「教える」ことや「子どもを相手にする」ということに慣れていますから、教育業界の企業への転職が最もハードルが低いと言えます。
注意していただきたいのは、転職先を決める際に焦って妥協し過ぎるということです。
退職後の働く先が決まらないことへの不安はよくわかります。でも、どこでもいいからと早く決めても、結局、教員のときと同じような仕事内容や働き方になりかねないからです。
「どんな人生にしたいのか、どんな働き方をしたいのか」
ここだけは外さないようにしてくださいね。
民間企業への転職ではなく起業という選択肢もある
taka さんはいわゆる転職でなく起業していますよね?
起業って誰でも簡単にできるんですか?
そうですね。雇われて働くよりも自分で自分の人生をコントロールしたかったので。起業自体はだれでも簡単にできます。
なんか難しそうで、私にはできるイメージないです。
やってみればそんな面倒なことではありません。
それに教師って、実は起業に向いているスキルにたくさん触れているんですよ。
「教える」というスキルや「話を聞く、相談に乗る」というスキルも実は起業にピッタリです。
それって教師ならだれでもやってることですよね?
そうなんです。教員にとっては当たり前でも、多くの人にとってはすごいスキルなんですよ!授業に慣れた先生なら、講座やセミナーを開催したり、コンサル、コーチングなどのスキルにもつながりますからね。
自分の強みを生かしてビジネスをすることもおすすめですよ!
なんか私にもやれるんじゃないか?って思えてきちゃいました!
焦らずゆとりのある転職計画と転職活動を!
教員を辞めて転職するとなると、収入が途絶えることへの不安は大きいと思います。
しかし、その不安が強いあまり、すぐ就職することを最優先してしまうと、わざわざ転職する意味がなくなります。
ちょうどタイミングよく希望職種に巡り会えたのなら、それに越したことはありません。
避けたいのは、とにかく早く転職先を決めたいということが優先され、大してやりたくもない職に就くことです。
ですから、転職の計画を立てたり、転職活動をする際には、ゆとりを持って長期戦をするくらいのつもりでいたほうがうまくいきます。
蓄えにゆとりがあるのなら、教員を退職してから、転職活動をするくらいのつもりでいると、じっくり自分の新しい働き方に合った企業が見つかるかの知れません。
焦りは禁物です!
教員にはたくさん強みがある!それを生かした転職を!
先ほども少し触れましたが、教師には転職や起業に生かせる強みがたくさんあります。
- 教えるスキル
- 話を聞く、相談に乗るスキル
- 教科の専門性
- 子どもと接するスキル
- 教材を作成するスキル
- レッスンプランを作成するスキル
などなど、まだまだ出てくると思います。そこにあなた自身の強みを加えてください。
自分では当たり前、大したことないと思っていても、他人からは、「それすごい」ってなることばかりなんです。
一般的なマイナス意見に流されるのではなく、教師としての強み、自分自身の強みを理解し、どう取り組んだら自分の理想の転職、起業にたどり着けるかを考えて行動してみてくださいね。