英語のおすすめ学習方法を分野別に解説!【初心者・やり直しに最適】
英語学習初心者の方や、英語学習をやり直したいと考えている方が独学で英語の勉強をしようと思ったとき、まず、どんなふうに勉強したらよいか悩みますよね?
しかも、英語の学習となると、英単語、英文法、英会話など、いろいろな分野があって、なおさら英語の勉強をスタートするのが、難しくなってしまいます。
そんな悩みを解消できるように、ここでは、分野ごとの英語学習法を詳しく解説しています。
初心者の方や、英語をやり直したい方にとって、非常に効果的な学習方法ですので、ぜひ、楽しんで実践してみてくださいね。
なお、初心者や、やりなし英語の基本的な学習へ考え方や学習手順、方法はこちらの記事で、丁寧に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
英語の発音の基礎学習【フォニックス】
英語を勉強するときに、まず意識していただきたいことが、「音」を意識することです。コミュニケーションにおいて、大部分を占めるのは音声です。
「相手の声を聞き取り、自分の声を相手に伝える」
ですから、英単語、英文法、長文読解など、一見すると、音のいらないような学習においても、常に「音」を発する意識を持つことが、英語の力を効率よく伸ばすことにつながります。
そこで、英語の発音を学ぶ最初の一歩として、英語の発音のルールを理解するのに非常に役に立つ「フォニックス」を用いた学習を紹介していきます。
いわゆる「発音」については『リスニングの学習方法①~③』で詳しく触れますので、ここでは、その前の基礎として、フォニックスを理解してください。
フォニックスを知ろう
「フォニックス」というものを聞いたことがありますか?
英語を学ぶ初期には、とても大事なものなのですが、なぜか学校では、あまり習わないのが現状です。ですから、聞いたことがないという人も多いかもしれませんね。
「フォニックス(phonics)」とは、つづりと発音の間の規則性を用いて、英語の読み方を学ぶ学習方法です。
つまり、「フォニックス」を知れば、初めて見る単語も発音できるようになったり、単語のスペルを丸暗記しなくても覚えやすくなるということなんです。
「フォニックス」は、日本語の「五十音」つまり「あ、い、う、え、お・・・」に似たようなもので、ネイティブスピーカーが子供の頃に習うものだと言われています。
アルファベットの「A・B・C・D・E・・・・」(エイ・ビー・スィー・ディー・イー・・・)という読み方ではなく、それぞれのスペルが、単語として使われたときに、実際どのように発音されるかというものです。
例1)“sand” を「エス・エイ・エン・ディー」とは発音しませんよね。
もちろん、「サンドゥ」と発音します。
例2)“enough” を「イー・エン・オウ・ユー・ジー・エイチ」とは発音しませんし、ローマ字のように「イノウグ」のような発音にもなりません。
これは「イナッフ」と発音します。
実は、これらはつづりと音の規則性によって発音されているんです。
残念ながら、まだ、英語を学習する初期段階、つまり、日本では小学校、中学校で、このフォニックスを学ぶところは少ないのが現状です。
代わりに最初にローマ字を習うことがほとんどだと思います。ローマ字ではなく、このフォニックスを学べば、英語の発音とつづりの基本が学べるわけですから、その後に、
つづりを丸暗記したりする必要がなくなるはずですし、
自信を持って、英語を発音することができるようになる
と思います。
フォニックスについては、表になったものや、動画や音声を使った教材、サイトがたくさんありますので、参考にしてみてください。
下記のサイトがやさしく、かつ分かりやすく説明していますので、おすすめです。
書籍、ウェブサイト、YouTube動画を連動させて学ぶことができますし、可愛らしいキャラクターたちが教えてくれる設定になっていますので、難しさを感じることなく、楽しく発音を学ぶことができます。
関連書籍も市販されていますので、ぜひ活用してみてください。
『あいうえおフォニックス 英語の母音をひらがな5つで完全攻略!』
英単語の学習方法
英語学習に取り組もうとするとき、まず英単語をたくさん覚えようとする人は多いと思います。本来、英単語は、話したり書いたりする中で、英語を使いながら覚えていくというのが自然であり、理想ではあります。
ですが、初心者の方や、社会人の方で英語をやり直したいという人は、最初の段階で集中的に英単語学習をしてもよいと思います。
ポイントは、シンプルに単語の意味が言えるようにするということです。
例文や、英文の中で覚えていくというやり方も悪くはないのですが、効率よく数多くの英単語に触れて、並行して行う読書や、会話練習で定着させるというやり方を紹介します。
おすすめの英単語の学習方法は「百式英単語」です。次の書籍の方法になるのですが、九九を覚えるように英単語を覚えることができます。新しいものではないのですがロングセラーになっています。
『新版 百式英単語 最速インプット』
次の手順で学習していきます。
1.1日10個、10日で100個のような覚え方はしない。
覚えたい単語を100個決めたら、その100個を7日間、毎日練習する。
2.覚えようとするのではなく、その100個を20分間、英語・日本語を合
わせて、それぞれ2回ずつスピーディーに九九のように音読する。
例)word単語、 word単語、 habit習慣、 habit習慣 、pay払う、 pay払う、 easy簡単な、 easy簡単な ・・・・・・・・・・
3.最後までいったら、また最初に戻って、時間いっぱい続ける。
時間や単語の数、日数は自分で微調整してかまいません。
このやり方であれば、覚えようとする必要がなく、気づいたら覚えているという状態になります。そして、時間を決めてやれるので、だらだらと長い時間を費やす必要がなく、学習にメリハリがつきます。
英語学習の計画が立てやすくなるというメリットがありますので、英単語学習がこれまでうまくいかなかった人はぜひ、試してみる価値ありです。
英文法の学習方法
よく「英文法は必要か」という話が出ますが、
言うまでもなく必須です。
大学入試に出るような文法が必要かと言われれば、これも必要とこたえるでしょう。ただ、中には不要のものもあるというくらいです。
英文法はなぜ必要か
そもそも、英文法は、母国語として日本語をすでに習得している人が、第2言語として英語を学習するうえで、英語の仕組みを、わかりやすく説明してくれるものです。
僕たち日本人は、生まれてから、日本語の環境で、自然に日本語を話せるようになりました。その過程で、日本語文法なるものを学んだかというと、そうではありません。
では、同じように、ただ英語のシャワーを浴び続けていれば、英文法を学ばなくとも、ある日突然、英語が話せるようになるでしょうか?
話せるようになるとしたら、24時間、いっさい日本語との接触を断ち切り、英語だけの生活を何年も続けたら、話せるようになる可能性はゼロではありません。現実的には、そんな環境に身を置くことは無理ですよね。
そもそも、まだ言語の回路がない赤ん坊が一つの言語を習得するのと、すでに日本語の回路ができあがっている年代の人が、外国語を習得することは全く異なるのです。
そこで登場するのが「英文法」です。
僕たち日本語を習得した年代の、外国語としての英語の習得を、効率よく、加速させてくれるのが「英文法」なのです。
ですから、文法が必要かどうかを悩んでいる暇があったら、どんどん文法力をつける努力をしたほうが、成果は確実に早く出ます。
「語順」の違いだけは理解しておこう
これだけは理解しておいてほしいという文法事項が「語順」です。
英語は、日本語とは違い、〈主語〉・〈動詞〉からはじまるのは、多くの方が理解していると思います。
日本語とは異なる「英語の語順、配置」を確認していきましょう。
例えば、
日本語では、
「お父さんが 私に 腕時計を 買ってくれた。」
これを
「腕時計を お父さんが 私に 買ってくれた。」
と順番を入れ替えても意味は伝わりますね。
これは、日本語は名詞に助詞(~が、~に、~を、など)をつけることによって、そのかたまりに役割を与えているからなんですね。
それに対して英語はどうでしょう?
〇 ”My father bought me a watch.”
(お父さんは/買ってくれた/私に/腕時計を)
これを
× ”A watch my father me bought.”
(腕時計は?/私のお父さんする?/私に?/買ったを?)
何が何だかわかりませんね。
実は、ここが日本語と英語の決定的な違いなのです。
英語は「語順の言語」です。
日本語は「助詞」を使ってそのパーツの役割を決めるのに対し、
英語はそれぞれの場所場所で役割が決まっているのです。
こんな感じで、どこに、どういう役割の単語や語句を入れたらよいかが、決まっているんです。
ということは、逆に考えれば、その語順のルールさえ身につけたら、あとは自分が表現したいことに合わせて、単語を入れ替えるだけなんです。
この語順感覚を常に意識してくださいね。
問題を解いただけで終わらないようにしよう
英文法の学習で大事なことは、単なる問題解きにならないようにすることです。
もちろん、中学校レベルの基本的な英文法をやり直したいというような人は、問題集を活用して一気に短期間でやってしまうというのも効率の良い学習方法です。
その際も、問題を解いて終わりではなく、必ず問題に使われている文を「音読」するように心がけてください。
文法を知識として理解したら、その文法が含まれている文章をインプットするために音読をしましょう。見ないでも言えるくらいまでは音読してください。
さらにレベルアップしたい人は、その文法を使った例文を自分で作って、声に出して言ってみるというところまでやるといいです。
そして、その時に意識するのが、
「語順感覚」を意識しながら音読する
ということです。
英文の意味を捉える時も、後ろから訳すのではなくて、
「誰が」「どうした」「何を」・・・といったような感覚で、 英語の語順のまま 処理しながら、音読をすることが大切なのです。
「文法を覚える ⇒ 文法を使う」
という意識が大切です。
語順や文型に関する記事もありますので、ぜひぜひ参考にしてくださいね!
リスニングの学習方法①【発音を知る】
リスニングの学習でまず大切なのは、ずばり「発音練習」です。
「リスニングなのに発音練習?」と思った人、いますよね?
もちろん、たくさん聞いて、ディクテーション(聞き取った文を書き出していく練習)をすることも大切です。
しかし、英語の音は、日本語の音にないものがほとんどです。人間は、自分の知らない音、自分の回路にない音は聞き取ることはできないんです。
ですから、聞き取る練習だけでなく、自分がその音を発音できるようになって、はじめて聞き取ることができるのです。
例えば、
“water” は
“ウォーター” とも発音しますが、
ネイティブの人が発音すると “ワラ” と聞こえます。
もう一つ例をあげますね。
“Would you like a cup of coffee?” は
“ウドゥ ユー ライク ア カップ オブ カフィ” と書かれてはいますが、
実際には、 “ウジュライカァカパブカフィ” のように聞こえると思います。
聞こえるというよりは、実際にそのように発音しているのです。
ネイティブスピーカーの英語を聞き取るのが難しいと感じるのは、スピードが速いのも一理あるのですが、実は、このような「音の変化」があるために、イメージしている音との隔たりがあるからなのです。
ただ、つづりと発音が異なるというのは英語に限った話ではなく、実は、日本語でも同様なんです。
例えば、
「冷蔵庫」は「れいぞうこ」と発音してますか?
実際は、「れーぞーこ」と発音している人は多いのではないでしょうか?
また、「こんにちは」を「こんちは」と言ってみたり、
これは極端な例ですが、
「ありがとうございます!」を「あざっす!」なんて言っちゃうこともありますよね。
これは外国人にとっては聞き取り困難な例ですよね。
英語と同じで、速すぎてそうなっているだけではなく、音が変化したり、音を省いたりして、短くなっているから、なおさら速く聞こえるということですよね。
こういうことを知っておくと、何も英語だけが難しいのではないのだと思えて、前に進めるはずです。
とにかく、表記上の音ではなく、実際にどのように発音されるのかを理解して、ネイティブの英語を聞き取ることが 大切なんだということです。
それでは、英語の音の変化で押さえておきたい3つのパターンを見てみましょう。
1.リンキング(音の連結)
これは音の連結ですので、次のような例です。
“Did you” の “ディドゥ ユー” が “ディジュー” とつながる
“Can I” の “キャン アイ” が “キャナイ” とつながる
“fill out” の “フィル アウト” が “フィラウト” とつながる
2.リダクション(音の脱落)
これは音が脱落、つまり消えるという例ですね。
“That’s it” の “ザッツ イットゥ” が “ザッツィッ” と最後の “t” の音が消える
“should have” の “シュドゥ ハヴ” が “シュダヴ” と “h” の音が消える
“here and there” の “ヒア アンドゥ ゼア” が “ヒアランゼア” と “d” の音が消える
3.フラップT(”t”のラ行化(ダ行化)現象)
これはアメリカ英語によく見られる現象で、イギリス英語では見られません。
その名の通り、“t”の音が日本語でいうラ行あるいはダ行の音で発音されることを言います。先程、例に出した”water”の例ですね。
“little” の “リトゥル” が “リロゥ” と発音される。
“a lot of” の “ア ロット オブ” が “アロロブ” と発音される。
“Get out of here!” の “ゲット アウト オブ ヒア” が “ゲッラウロヒア” と発音される。
いかかでしょうか?こういった現象が起きることを知ったうえでリスニングや発音練習をしていましたか?
英語は、ただ話すスピードが早いのではなく、音と音がくっついて短くなったり、消えてしまう音があったりするため、 スペル通りの音をイメージしていると聞き取ることができないことが多いのです。
実際にどう発音されるのか、文章になったらどう発音されるのか、という考え方で聞き取ったり、発音することが上達には欠かせないのです。
リスニングの学習方法②【シャドーイング】
英語の発音を知ったら、次は実際に聞き取り練習です。聞き取り練習といえば「ディクテーション」といって、聞き取った英語を書き出していくという練習があります。一度はやったことがあるのではないでしょうか?
もちろん、英語の発音の特性を理解し、発音練習に取り組んだうえで、ディクテーションにトライすれば、効果は実感できると思います。
ここでは、そこからさらにもう一歩、レベルを上げるための練習を紹介します。
それが「シャドーイング」です。
〖シャドーイングとは〗
これは「シャドー」、つまり「影」のように、聞こえた英語を、その音声に重ねて追いかけていくという学習方法です。
リピートするのではなく、音声が聞こえた瞬間から一瞬だけ遅れて追いかけるイメージです。
例えば、
“We should try to speak English.” をシャドーイングするとしたら、最初の”We”が聞こえたら、それ以降、追いかけるようにして続けて最後まで発音していきます。
それぞれの単語がワンテンポ遅れて発音される感じです。
最近、英語学習において非常に効果の高い学習方法であると言われています。
決して新しいものではなく、以前より通訳者など英語の専門家のトレーニング方法としてはメジャーなものでした。
聞き取りながら、スラスラと発音していくわけですから、簡単なトレーニングではありません。
ですが、リスニング力と発話力の両方を鍛えらる、とても効果の高い学習方法です。
簡単なところからはじめて、段階を踏んでやれば、初心の方でも、楽しくトレーニングできますので、次のポイントを意識してトライしましょう!
〖シャドーイングをするときのポイント〗
1.題材はやさしいものを選ぶ
(基本的には何でもいいです。自分が覚えたい日常的な表現の入った対話形式のものでも、興味のあるまとまった文章でもOK。ただし、最初はとにかくやさしめのものです。)
2.慣れていない人は、しっかり普通の音読を繰り返したうえで行う
(スラスラとテキストを見ながら、音読できるところまで練習しましょう)
3.最初は音声だけでは難しいので、文章を見ながらシャドーイング
(聞き取る音が聞こえなくなるので、自分の声は大きすぎないように)
4.ついていけるようになったら、文章を見ないで音声だけでシャドーイング
(1、2回ではうまくいかないのが当たり前。楽しんで繰り返す!)
5.意味は意識せずに、音声だけに集中する
(最初はどうしても意味も考えてしまう人が多いですが、とにかく音声だけに集中です!)
6.シャドーイングしながらも意味、内容がイメージできている状態が目標
(ここまではできなくても大丈夫!できたところまでを評価)
難易度は高いですが、段階を追っていけば、できるようになるので、挑戦してみてください。最初できなくても楽しんで続けてみてください。必ず成果は出るようになります!
リスニングの学習方法③【効果を高める手順】
前述の「英語の発音の特性を知り、発音練習をする」ということと「シャドーイング」を活用して、効果的なリスニング練習をする手順を説明します。
1.聞き取りをしてディクテーション(聞き取った文を書き出す)をしてみる。(問題集を使う場合は、とりあえず、一通り問題を解き、そのあとでディクテーション)
2.ディクテーションを2、3回繰り返して聞き取れなければ、英文のスクリプトを確認し、軽く英文の意味、内容を理解する
3.単語だけではなく、フレーズや文章で、実際にどのように発音されるのかを再度確認し、その発音を真似して繰り返し練習する
4.同じくらいのスピードで発音できるようになったら、シャドーイングに挑戦
(シャドーイングは完璧にする必要はありません。ただ、やればやるほど効果は実感できますので、2、3回は繰り返してみてくださいね)
5.仕上げに、もう一度リスニングして、しっかり聞き取れるようになっていることを実感する
6.知っている表現、フレーズを増やすことも聞き取りの大きな手助けとなるので、定着してない表現は繰り返し発声しながら覚える
発音練習にしっかり取り組み、シャドーイングを繰り返していけば、リスニング力を飛躍的に伸ばすことができます。
明確に効果を実感できる学習方法なので、コツコツやってみてくださいね。
英作文の学習方法
英会話、スピーキングの手前の段階として、英作文の学習に取り組むのは理にかなっていると思います。
英語を話すのには瞬発力、つまり相手の投げかけに対しての返答や、自分の考えを述べるなど、すぐ英語を口に出せる反応スピードが必要です。
英作文は、少し時間をかけても、頭の中で整理しながら表現できるという時間的なゆとりが、会話に比べるとあります。
ですので、しっかり思ったことを表現できる引き出しを増やすという練習を、英作文学習で取り組んでおけば、スムーズに英会話に入っていけると思います。
英作文を学習するときは次の5つのポイントを意識してください。
①英作文は「英借文」ということを意識する
②日本語を、英語に直しやすい表現に解釈する
③音読して書いた表現を自分のものにする
④覚えた表現の単語を入れ替えて言ってみる
⑤英語で日記を書いてみる
①の「英借文」という考え方は、「英語の文をゼロから自分で作り上げるのではなく、もともとあるネイティブの表現を借りて表現する」というものです。ことばなので、当たり前と言えば当たり前なのですが、この発想が大事です。
フレーズをたくさん覚えて、英作文や英会話につなげるというのが、この発想です。英借文を積み重ねていくうちに、表現できる幅が増えていき、自分なりの表現もできるようになるという感覚です。
次に②の「英語に直しやすい表現に日本語を転換する」ということも英作文においては、とても大切な要素です。
一つ問題を出しましょう。
「お茶の子さいさいだ」
これを英語に直せますか?
正解は “It’s a piece of cake.” です。
実は、これ、慣用表現(ひとまとまりで意味を成す表現、熟語のようなもの)なんです。
知らなければ、絶対わかりませんよね。
「お茶の子さいさい」は普段あまり使わない表現ですね。難易度を上げるために、あえて使わせていただきました。
いまふうに言えば、「そんなの超よゆうっす!」みたいな感じです。
で、ここで言いたいのは、慣用表現を覚えましょうということではなくて、
“It’s very easy.” も正解!
つまり、「とても簡単です」と解釈してしまっていいですよ、ということなんです。
たくさん表現を知っていることに越したことはないのですが、大事なのは、
「知らない表現に出くわしたときに、自分が知っている英語を使って表現できるように、その日本語をいかに解釈して、わかりやすい言葉に転換していくか」
ということなのです。
普段から、その時点で持っている自分の英語力を駆使して、自分なりに英語でどう表現できるかを意識することが大切だとわかりますね。あとは語彙力や文法力がついてくれば、自然に表現のレベルも上がっていくでしょう。
③の「音読」は、繰り返し述べている部分でもありますが、何をするにも英語学習において、声を出して練習するというのは不可欠の学習方法です。
④の「覚えた文の単語を入れ替えて言ってみる」というのは、
“I saw Jordan at the convenience store just now.”
「さっきコンビニでジョーダンに会ったよ」
という例文を覚えたなら、 これを自分の実際の経験を思い出して、
“I saw Mr. Hayashi at the station this morning.”
「朝、駅で林先生に会ったよ」
と言い換える練習をしてみる、ということです。
この例では、「(誰)に」、「どこで」、「いつ」の部分を変えていますが、「(誰)が」(主語)、「~する」(動詞)の部分でも、どの部分でも自由に別の単語に入れ替えて表現してみるとよいです。
なるべく、自分の実体験を述べたほうが定着の度合いは高まります。
このような手順で、英作文に取り組めば、
「英借文 ⇒ 自分の表現」という流れが出きあがります。
最後に⑤ の「英語で日記を書く」というのも 、英作文の上達には、非常に有効な学習方法になります。
まさに自分のことについて書くのが日記ですから、実用性が高い表現を身につけることができます。
手帳そのものが、英語でメモや日記を書くような作りになっているものもあります。
英語で日記を書くための単語や表現が紹介されているので、それらをヒントに少しずつからでも英語メモ、英語日記にトライすることができます。
簡単な表現からでいいので、覚えたフレーズを使って、自分の言葉で表現するという習慣作りをしてください。そして、1文を2文へ、そして3文、4文へと少しずつまとまった表現ができるように増やしていってください。
そして、ここでも、自分の書いてみた表現は、自分の気持ちを込めて、声に出して言ってみることを忘れずにしてくださいね。
また、英語で日記を書くためのドリルやノウハウ本も市販されています。もし、最初、自分で書くのが難しいと感じる人は、そのようなドリルで練習をしていきながら、自分で書けるようにしていくのもよいでしょう。
『英語手帳 2020年版』
『英語日記ドリル〔COMPLETE〕/ 自分のことを英語で伝える!基本フレーズ80 合本版(電子書籍)』
上記のような書籍を用いて英作文習慣をつけるだけでなく、自分が書いたものをネイティブ・スピーカーから添削してもらえるというサービスも提供されています。
書くことが習慣になってきた人は、粗利レベルを上げるために、そういったサービスを利用するのもよいでしょう。
英会話・スピーキングの学習方法
英作文に取り組むことによって英語の表現力は確実に上がってきますから、今度はそれを、スムーズに声に出せるようにしたいですね。
いわゆる「実戦練習」です。
〖お金をかけられるならオンライン英会話がおすすめ〗
英会話の学習をする場合、少しお金をかけれるなら、迷わず、「オンライン英会話」をおすすめします。月額5000円くらいでマンツーマンレッスンを毎日、30分程度受けることができますから、費用対効果が非常に優れています。
英会話教室もありますが、コストパフォーマンスで言えば、圧倒的にオンライン英会話のほうが優れています。
最近では、どんどん価格も下がってきていますし、質も高くなってきています。
ただ何となくレッスンを受け身で受けるのでは効果は上がりません。
その日その日のレッスンで自分が練習したいトピックや表現を前もって準備、練習をして、レッスンで実践するという姿勢で取り組んでみてください。
一回のレッスンの長さは短くても、頻度を多くして臨めば、必ず成果は出るはずです。
〖独学でスピーキング力を鍛えるには〗
ここからは独学で、スピーキング力を上げる学習方法を説明していきます。
以下三つのことを意識して独学で学習し、オンライン英会話を受けることができる人は、実戦練習として、レッスンを活用してみてください。
①まず、自分が表現できるフレーズを増やすこと
これが不可欠になります。これは英作文の学習と同様です。
英会話や英作文というと、ゼロから英文を作り出すことを瞬時にできなければならないと思っている人も多いようですが、表現の多くはよく使われる決まった表現です。
英作文のところでも述べた「英借文」の発想ですね。
そして今度は英会話、スピーキングですから、次のことがポイントとなります。
②いかに素早く、反応よく体に染み込ませたフレーズを口から出せるか
英語の瞬発力アップのトレーニングを徹底的にやりましょう。
そこで、市販のフレーズ集などを使ってもいいのですが、なかなか自分の言いたいこととフレーズ集のフレーズが一致しない場合が多いです。しかも、数が多すぎる場合がほとんどですので、教材の選定には注意が必要です。
なるべく、自分が日常使えるような表現、使う可能性の高い表現を覚えていくのが効率的です。
その意味では、市販書籍の「起きてから寝るまでシリーズ」などは、初心者の方にも、はじめやすいでしょう。日常生活の中でよく使う表現であり、身近な表現が中心になるので、誰にでも合う内容になっています。
『改訂第二版 起きてから寝るまで英会話 口慣らし練習帳 [音声DL付] 』
また、もし海外旅行に行って英語を話したいという人であれば、海外旅行で使うフレーズ教材はたくさん市販されているので、それを利用すればよいということになります。
いずれにせよ、何でもかんでもフレーズを覚えるのではなく、自分の英語を使うシチュエーションに絞って練習したほうが効果的です。
使い方は、とにかく使う場面をイメージして、必ず、文字を見ないで言えるまで練習するということが重要です。
なんとなく1冊読み終わりましたというやり方では、その場面が来たときに、自分の口からふさわしい表現が出るようにはなりません。
体全体に染み込ませるように、その場にいるかのように練習を繰り返してください。無意識に言えるようになるまでです。
身振り手振りを交えながら、感情を入れながら練習すれば、より一層効果的になるでしょう。独学であれば、だれも見ていませんから、恥ずかしがる必要もありませんしね。
③「自分が言いたいことをしっかり持つ」「自分の述べたい考えを持つ」
最後に英会話、スピーキングにおけるとても大事な点を述べておきます。
英語力を高めることは大事です。しかし、「ことば」というものは述べる内容があってはじめて、存在価値を見出します。
英語はできるようになったが、自分が伝えたい意見、考えがなければ、宝の持ち腐れとしか言いようがありません。
意外にこれに当てはまる人は多いです。英語という「ことば」を学ぶのですから、それを使って「何を伝えたいのか」、これが大前提になります。
でも、難しく考えないでください。立派な演説ができるようになりなさいということではありません。
どんなことでもいいので、「こんなことを英語で話してみたい」それがはじまりです。それが目標になります。ほんのひとことでもいいんです。
忘れずに、いつも心に抱いておいてください。
「あなたは英語で誰にどんなことを伝えたいですか?」
英文読解の学習方法
インプットの量を増やすために英語の読書をするということは述べてきました。では、長文を読んでいくときにどのようなことを意識して読むべきか、それを説明していきましょう。
・スラッシュリーディング
「スラッシュリーディング」というものを聞いたことがあるでしょうか?
英語は「主語」「動詞」という順番ではじまります。「誰が」「どうした」という結論を先に明確に述べるのです。
それに対して、日本語は「だれが」・・・・・「どうした」というふうに、結論が一番最後になります。
この語順の違いを切り替えて読んだり、聞いたり、書いたり、話したりする必要があるのです。
ですので、英語で文章を読む場合は、
前から読んでいき、「だれが」/「どうした」/「~を」/「どこどこで」/「いついつ」という語順で読んでいく必要があります。
決して、後ろから日本語に訳したりはせずに、英語の語順で前から読む訓練をしてください。
そうすることで「英語の語順回路」を作り上げるのです。
その際、手助けになるのが「スラッシュリーディング」です。
かたまりごとにスラッシュ( / )を入れ、そのかたまりごとに前から意味を取りながら読んでいく方法です。
例)The doctor / advised my mother / to get enough rest / yesterday. (医者は/母に助言した/十分休むようにと/昨日)
間違っても返り読みをしてはいけません。慣れないうちは、ゆっくりでかまいませんので、英語の語順で読んでください。
それでも、後ろから前に返り読みをするより早く読めるはずです。スピードは自然と上がっていきますから、焦らず、前からスラッシュを入れながら、かたまりごとに読む練習を繰り返してみてくださいね。
・パラグラフリーディング
これは、「パラグラフ」、つまり段落ごとの意をしっかり読むということです。そして、その際に、その段落の一番最初の文をしかっり読むというやり方です。
これは英語に限らず、日本語で文章を読むときにも同じことが言えますから、ぜひ、参考にしてみてください。
英語でも日本語でも、文章を読んでいて、なんとなく意味はとれているんだけど、読んでいるうちに何が書いてあったか忘れてしまって、また元に戻る、なんて経験ありませんか?
それを防ぐために段落ごとに書かれていることをしっかり捉えていくような読み方が必要になります。
そして、覚えておいていただきたいことは、
「一番最初の文に、その段落の言いたいことが書かれている」ことが多い。
ということなんです。
もちろん、100パーセントではありませんが、段落ごとに、
1.その段落で述べたいこと
2.具体例や説明
3.まとめ
という順番で表現されることが多いので、一番最初の文をしっかり捉えることによって、その段落で言いたいことを捉えていくという読み方になります。
こうした意識を加えることで、内容を忘れて、前に戻るということも少なくなると思います。
ある程度スラッシュリーディングやパラグラフリーディングに慣れてきたら、あとはどんどんと「多読」を進めてください。
正しい読み方で英文に触れる量が増えることによって、相乗効果で、読む力がぐんぐん伸びていくでしょう。
自分が楽しいと思える分野から取り組もう
ここまで、英語学習の各分野ごとの学習方法を述べてきました。
ある程度の学習順序というものはあると思いますが、結局、語学学習はすべての要素が絡み合っています。
ですから、何から取り組んだとしても、各分野に何らかのつながりがありますから、大事なのは、まず、はじめることです。そして継続することです。
そのためには、自分が楽しいと思えることからどんどん取り組んでください。
楽しいことは継続できます。
継続できれば力がつきます。
上達が実感できればまた楽しくなります。
楽しめれば、ちょっと難しいことにチャレンジするようになります。
そうやって、英語の力は着実についていきます。
ぜひ、ここで紹介させていただいた英語の学習方法を楽しんで実践してくださいね。